難病認定とは、一定の条件に当てはまる疾患に対して、厚生労働省が難病を指定する制度です。その条件とは次のようになっています。
以上の4つの条件を満たす疾患が「難病」と認定され、原因究明や治療法確立のための調査研究や、患者支援の対象となっています。
厚生労働省が定める難病認定の中でも、特に適切な医療が必要だとされるものが、「指定難病」として認定されます。指定難病として認定される疾患は、上でご紹介した難病指定の条件に加えて、更に2つの条件を満たしたものです。
「一定の人数」というのは、「人口の約1/1000」程度とされています。難病よりも指定難病の方が条件的に厳しくなっており、現在指定難病として登録されている疾患は330疾病です(2017年11月時点)。
そして、難病として国から補助を受けられるのは、この指定難病として認定されてる疾患となります。
メニエール病は厚生労働省によって「特定疾患」として定められていました。ですが、メニエール病は指定難病には認定されていません。
上でご紹介した指定難病は平成27年から開始された「難病の患者に対する医療等に関する法律」によって認定されていますが、この法律の成立によって特定疾患への国からの補助はなくなりました。
この法律が成立する以前は、特定疾患治療研究事業によって特定疾患の方に助成金が出ていました。
ですが、「特定疾患治療研究事業」から「難病の患者に対する医療等に関する法律」に生まれ変わったことをきっかけに、メニエール病の患者に対する国からの助成はなくなったのです。
指定難病として認定されていないメニエール病では、医療費の助成は受けられないのでしょうか?実は、国からの助成金は出ませんが、その代わり、自治体から助成金や補助を受けられる場合があります。
ほとんどの自治体では「難病患者福祉手当」などの名称で、難病にかかった方に対して補助金を支給しているためです。
自治体が独自で行っている医療費助成制度で、指定されている疾患を発症している場合、ひと月あたりの定額として手当を受け取ることができる制度です。
指定されている疾患は、主に厚生労働省が指定している指定難病となっていますが、指定難病以外の疾患を認定している自治体もあります。どんな疾患が登録されているかは自治体によって異なっています。
メニエール病が助成対象となっている自治体を全て調べることはできませんが、香川県では「指定難病医療費助成制度」に香川県指定難病として、メニエール病が難病認定されています。
この香川県の例を見てみると、指定した難病の治療にかかった1か月の医療費から、自己負担上限額を超過した分が支給されるシステムです。
自己負担上限額は所得や支払った医療費の総額によって変わりますが、一部をご紹介してみます。
【市町村民税非課税世帯】
【市町村民税課税世帯】
香川県ではこのような仕組みになっています。自治体指定の難病はそれぞれ異なっていて、自治体によっては国の指定難病しか指定していない場合もあるので、お住いの自治体に問い合わせてみてください。