つらいめまいや耳鳴りが襲ってくるメニエール病。メニエール病と診断された患者は、仕事を続けられるのでしょうか?それとも、退職をしなければならないのでしょうか?気になるメニエール病と仕事の関係について解説します。
職種にもよりますが、メニエール病の発作が起こってしまった場合、多かれ少なかれ、仕事に影響を与えることは避けられません。
発作が起こっていない状態であれば、何ら問題なく普通の生活を送ることができるので、患者本人にとってはとてもつらいことでしょう。
もし、メニエール病と診断された場合は、すぐに職場の上司に相談することが賢明です。仕事中の発作で病気が発覚するのと、自己申告でいち早く病気を打ち明けるのとでは、会社側の受け止め方も違います。
それまで戦力として働いてきた社員であり、かつ発作が頻繁に起こるわけではないのですから、病気を自己申告した社員に対し退職勧告をする、などといったことは考えにくいでしょう。別の部署を探すなど、対応を考えてくれることと思います。
どのくらいの頻度で起こる可能性があるのか、どのような発作が起きるのか、発作が起きたときの対処法などについて、簡潔にまとめて報告しておけば、必要以上の手間をかけずに済みます。そして、発作はいつ起こるか分かりません。
くれぐれも上司だけではなく、職場の同僚すべてに、突然の発作の可能性について話し、理解をもらっておきましょう。
内勤の事務職等であれば、仮に仕事中に発作が起こることがあったとしても、自分で思うほど会社には迷惑をかけないかもしれません。メニエール病の原因はまだ特定されていませんが、ストレスの多い職場の人が患う傾向があると報告されています。
「発作を起こして周りに迷惑をかけるのでは?」と考えること自体、ストレスとなって発作を誘発する可能性があります。仕事を続ける以上は、良い意味での開き直りが必要です。
過去、労働裁判の事例でこんなことがありました。メニエール病を患っている男性が、会社から受けた転勤命令を拒否したとして解雇されることに。しかし、結果として裁判で解雇は無効になっています。
判決要旨によると、解雇を言い渡された男性は会社の上司や周囲のメンバーに対して、病気で仕事に支障が出るかもしれないと知らせていました。さらに、転勤先までの通勤時間は1時間30分以上かかります。メニエール病の発作が出たときに、耐えられるか疑問であるという指摘がありました。
メニエール病の認知はまだ低いかもしれませんが、周囲への働きかけや自身の気遣いにより、仕事を続けていくことは十分可能なのです。
なお、メニエール病の治療ではステロイド剤を使用することが多いと思います。これら薬剤だけではなく、体の内側から調子を整えるため、複数の栄養成分に注目が集まっています。
めまいや耳鳴り対策として効果が期待されている
酵素について解説しています。
強いめまいや持続的な耳鳴りを伴うメニエール病。病名がわかって職場で相談してみたものの、業務自体に集中できずミスを連発…こうなると、負の連鎖にはまってしまいます。「メニエールじゃまわりに迷惑かける、退職かな」ではなく、しばらく休職してみるという選択も考えてください。
これまで普通に仕事をしてきた30代の会社員(女性)のケースですが、メニエール病になってから1ヶ月半ほど休み、復帰して同じ職場で働いている人もいます。また、3週間ほど休職して違う部署(外線を取らない仕事)で活躍している人もいるそうです。
病気とうまく付き合っていくことが大切ですので、かかりつけの医師や産業医に相談することから始めましょう。
まずは大前提として、メニエール病にかかったからと言って、会社を自主的に退職する必要も決まりも、まったくありません。ただし、注意すべき職種があります。発作が、自分の、あるいは他人の命を脅かす可能性のある職種です。
たとえば、とび職人。高所で作業中に発作を起こした場合、極めて危険です。あるいは、トラック運転手やタクシードライバー、電車運転士など仕事中の発作が、自分のみならず他人の命を危険に巻き込んでしまうかもしれません。
こうした職種の人がメニエール病を発症した場合、まずは、絶望をしないようにしてください。その絶望感自体が発作を誘発する可能性があります。
やはり上で述べたように、上司にすぐに報告することが重要でしょう。会社にとっては、どんな社員でも必要な人材ですので、必ずや双方にとってベターな選択肢を考えてくれるはずです。