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前庭型メニエール病

激しい回転性のめまいの発作を繰り返し起こす前庭型メニエール病の症状、原因、治療方法について説明しています。

前庭型メニエール病の症状

前庭型メニエール病は、難聴や耳鳴りが主な症状である蝸牛型メニエール病と違い、激しい回転性のめまいの発作を繰り返し起こすことが特徴で、発作はかなり長く続きます。

活動期の回転性のめまいだけではなく、非活動期には横に揺れているような動揺性めまいや、フワフワと浮いたように感じる浮動性のめまいを感じることもあります。

そして、1日に何度もめまいを感じているうちに、それがストレスとなり自律神経失調症のめまいを併発することもあります。前庭型メニエール病の検査は蝸牛型メニエール病と同じく、まず最初に低・中音域の聴力が低下しているかどうかを調べます。

メニエール病と前庭型メニエール病の発作間隔

メニエール病の発作間隔

2年以上メニエール病にかかっている方の症例数40件を比べてみると、めまい発作の最小発作間隔は7日以内例が多いことが分かっています。

発作間隔とは、めまいの発作が一度起きてから再度発作が起きるまでの間隔のこと。この結果から、一度発作が起きて再び発作が出るのは、7日以内になりやすいことが分かります。

メニエール病にかかっていた期間が2年未満の場合も、最小発作間隔は7日以内が最多です。そのため、一度発作が起きたら7日以内に再び発作が起こる可能性があることを知っておきましょう。

前庭型メニエール病の発作間隔

前庭型メニエール病の症例数13件を比較したところ、前庭型メニエール病の最大発作間隔は2年未満が7例、2年以上が6例でした。前庭型メニエール病にかかっていた年数は、すべて2年以上です。

最小発作間隔は、7日未満が2例、7日以上が11例でした。7日以上経ってから再び発作が起こる方が多いため、前庭型メニエール病の発作間隔は、7日以上を想定していたほうがよさそうです。

前庭型メニエール病の転帰

転帰とは、病気が進行した後にいきついた結果のことです。前庭型メニエール病の転帰について調査した論文によると、明らかな前庭型メニエール病と診断された18症例のうち、ほぼ定期的にめまいを反復する群8例,短期間に集中しめまいがなくなった群3例,最近めまいが増加した群2例の結果が分かっています。

前庭型メニエール病が進行しても、めまい発作がなくなる確率は少ないといえるでしょう。また、2例に左耳の聴力の変動が見られ、メニエール病に移行した可能性があるという結果も。数は少ないものの、メニエール病に移行する場合があります。

原因

めまいだけが起きる前庭型メニエール病の診断は難しく、かつてはめまいを伴う他の病気と間違われるケースもありました。現在では、蝸電図が陽性か半規管麻痺の検査が陽性だった場合、内リンパ水腫が原因の前庭型メニエール病と診断されます。

また、回転性のめまいがあっても、めまい発作の時間が短かったり、蝸電図・半規管麻痺検査が陰性なら内リンパ水腫には問題がないと判断され、内耳の血流障害など他の原因によって引き起こされていると診断されます。

蝸牛型メニエール病は、内耳に内リンパ水腫が必ず発見されるので比較的診断しやすいのですが、前庭型メニエール病の場合は内耳性のリンパ腫がみつからないことが多いため、現在でも前庭型メニエール病の診断はなかなか難しいようです。

蝸牛型メニエール病と違って、前庭型メニエール病から一般型メニエール病になることは比較的少ないのですが、その理由は原因が内リンパ水腫以外の原因からなるものが多いからだと言われています。

治療

蝸牛型メニエール病を放置してだんだん悪化していくような、分かりやすい悪化への経緯をたどることは少ないのですが、内耳疾患は早期の診察と適切な処置が不可欠です。

この病気は治る病気なので、めまいを感じたら放置せずにすぐに診察を受け、適切な処置をしてもらって軽いうちに完治させることが重要です。

治療は蝸牛型と同様に、安静にして喫煙や飲酒を控えます。急性期には鎮静剤や制吐剤を用い、慢性期には主に内リンパ水腫の水分を体外へ排出するために利尿剤(イソバイド)が用いられます。他にも症状に応じてビタミン剤、精神安定剤、自律神経調節剤、抗ヒスタミン剤、ステロイドホルモン、漢方薬などが使われます。

前庭型メニエール病の治療例

前庭型メニエール病と診断された男性10名、女性34名に浸透圧利尿剤であるイソソルビドを使った治療を行いました。薬を投与する3ヵ月以上前にめまい発作があり、平均的に発作が確認できた19名に治療を実施しています。このうち、薬剤の投与中にめまい発作があった7名の治療を無効と判定しました。

治療の結果

イソソルビドを投与して効果が判定できた12例のうち有効は5例(42%)であった。これを,めまい発作の持続時間別に検討すると,発作時間の長い群では8例中5例が有効であり,短い群では4例全例が無効であった。すなわち,イソソルビドはめまい発作持続時間の比較的長い症例に対してめまい発作の抑制効果が高い傾向を示した。

「前庭型メニエール病と内リンパ水腫」(Equilibrium Res Vol. 52 (3) 332 •` 338, 1993)

発作時間の長かった8例に限って見てみると、浸透圧利尿剤であるイソソルビドによってめまい発作が抑制されたのは5例です。一方、短かった4例すべてに効果は見られませんでした。

めまい発作の持続時問の短い(一過性)症例には,イソソルビドが有効とは言えずメニエール病への移行は観察されなかった。

「前庭型メニエール病と内リンパ水腫」(Equilibrium Res Vol. 52 (3) 332 •` 338, 1993)

以上のことから、イソソルビドは発作時間の長い前庭型メニエール病の治療には有効な薬剤だといえるでしょう。

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