メニエール病の際に処方されるグランダキシン。ここでは、効果・効能をはじめ、危険な副作用、使用上の注意などをまとめています。
グランダキシンは、自律神経に働きかけることで頭痛や倦怠感、動悸、発汗等の自律神経症状の緩和に効果がある薬です。メニエール病は、ストレスや自律神経が大きくかかわっているといわれているので、自律神経に効果のあるこの薬が処方されるのです。
メニエール病のほかにも、自律神経失調症や更年期障害・卵巣欠落症状、頭部・頸部損傷の際に処方されます。
主な副作用として、眠気やふらつきがあります。さらに、口の渇きや嘔吐、食欲不振、便秘等の消化器症状、倦怠感・脱力感といった精神的症状も確認されているようです。
まれにAST・ALTや血圧の上昇もあるので、肝臓疾患や高血圧で治療中の方は注意してください。
重大な副作用は製品情報には記載されていません。しかし、他のベンゾジアゼピン系薬剤で薬物依存が起こることが報告されています。そのため、グランダキシンは使用期間や使用量に注意しながら服用することが重要です。
グランダキシンは通常、成人には1回50mgを1日3回にわけて服用します。なお、年齢や症状により使用量は増減するので、医師や薬剤師と相談の上、調整しましょう。
また、小児は使用経験が少なく、安全性が確立されていないので、できる限り使用は避けましょう。
さまざまな動物実験で、自律神経系の緊張不均衡改善作用や末梢の血流量が増加することが分かっています。
その中でもヒトの自律神経機能検査では、交感神経の異常反応が正常化したデータも。さらに、血管運動の改善や局所的な血流量増加作用と、全身末梢の血流配分バランスの改善効果が示されているのです。
副作用として眠気が出たり、反射運動能力や注意力・集中力等の低下が起こること確認されています。そのため、服用中は自動車の運転や工業用機械の操作など危険を伴う機械の操作は避けたほうがよいでしょう。どうしても必要な場合は一人で運転を行わずに、状況を判断できる人と一緒に操作するようにした方が安全です。
また、フルマゼニルという注射液を投与している患者が服用する場合は、グランダキシンの鎮静・抗痙攣作用が変化したり、遅延する可能性があるので、注意が必要です。
グランダキシンはロミタピドメシル酸塩を投与中の患者には服用が禁止されています。
ロミタピドメシル酸塩は、高脂血症の治療で処方される薬です。グランダキシンと併用すると、血中のロミタピドメシル酸塩の濃度が著しく上昇するおそれがあり、肝機能障害を招く危険性があります。
以下に示した方は慎重に服用する必要があります。
高齢者の服用は禁止されていませんが、加齢により生理機能が低下していることが多い高齢者は、薬の量を減らすなど使用の際には注意が必要です。
基本的には医師が量を調整してくれるので、心配はいりません。
妊婦や妊娠の可能性がある方、授乳中の方は、治療の有益性がリスクを上回ると判断された場合にのみ服用が認められています。同系統の薬を服用した方が障害児の出産確率が高いという報告があるほか、新生児への影響が強くでるので避けたほうがいいでしょう。
商品名 | グランダキシン錠50 グランダキシン細粒10% |
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一般名 | トフィソパム |
薬価・規格 | 15.7円(50mg1錠) 27.7円(10%1g) |
薬の形状 | 素錠 細粒剤 |
製造会社 | 持田製薬 |