メニエール病の改善で処方される漢方薬・苓桂朮甘湯の効果効能や副作用、使用上の注意を調べました。
めまいを改善してくれる効果がある苓桂朮甘湯。めまいの原因のひとつである内耳に増えすぎた水分を取り除く目的で、利尿薬の一種として処方されます。
以前より尿の量が少なくなってしまった方にも効果的です。その他、動悸や頭痛、息切れの症状も緩和。また、急に不安になってしまうのを和らげてくれるため、メンタル面の症状に対しても処方されることがあります。
皮膚が過敏になってしまうことで痒みが生じる過敏症や、発疹や発赤といった症状が起こる場合があります。もし身体が痒くなってしまったら直ちに使用を中止しましょう。
時間が経っても副作用の症状が治まらない場合には医療機関を受診することをおすすめします。
まれに低カリウム血症や高ナトリウム血症、血圧上昇、体液が溜まって浮腫が起こったり、体重が増加したりする「偽アルドステロン症」になることがあります。
また低カリウム血症によって脱力感や四肢の痙攣や麻痺が起こる「ミオパシー」になる恐れも。このような症状があらわれた場合には直ちに使用を中止して、医療機関でカリウム剤を投与するなど、専門的な処置を受けなくてはなりません。
1日6.0gを2~3回に分けて食前や食間に内服薬を服用します。用量は年齢や体重、めまいの症状によって増減しましょう。はじめて飲む場合には医師の元で指導を受け、正しい量と回数を守って服用しましょう。
薬効・薬理については発表されておりません。
体質や症状を考慮して適切な用法や用量を守って服用しなければなりません。症状の改善が見られない場合でも、自己判断で薬を増やすことや継続的な使用は避けてください。
また他の漢方薬を飲んでいる場合には、薬に含まれている生薬の重複を避けて過剰摂取にならないようにします。必ず医師の指導のもとで服用するようにしましょう。
苓桂朮甘湯は直射日光を避け、湿気の少ない場所に保管しましょう。苓桂朮甘湯を使用してはいけない対象はいませんが、小児や妊婦への安全性が確立されていないため慎重に飲まなくてはなりません。
なお、苓桂朮甘湯には薬の併用に関する注意があります。カンゾウが含まれている薬やグリチルリチン酸、塩類が含まれている薬と併用しないように注意してください。他の漢方薬と一緒に飲みたいという場合は、必ず事前に医師や薬剤師に相談しましょう。
苓桂朮甘湯はご高齢の方や小児、妊娠中の方が服用した際の安全性がまだ確認されていません。症状や体質をみながら慎重に飲む必要があります。妊娠中の方や妊娠している可能性のある方はむやみに飲まず、医師に相談してから服用するようにしてください。
生理機能が低下している高齢者には、大人が飲む一般的な用量ではなく、回数を減らしたり減量したりするなど注意しながら服用する必要があります。65歳以上の方が飲む場合には必ず医療機関で適切な用量を処方してもらい、決められた量や回数を守りましょう。
妊婦や産後の方への安全性はまだ確立していません。妊娠中の方や妊娠している可能性のある方は服用しないようにしましょう。授乳中の方についても、乳児に影響を及ぼす可能性があるので自己判断で服用せず、医師か薬剤師に相談してください。