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メニエール病の治療で使われる漢方

西洋医学にも補助的に処方されることがある漢方薬。メニエール病に良いとされるおもな漢方を調べてみました。

東洋医学・漢方からみたメニエール病

西洋医学では、メニエール病の原因は内耳に内リンパ液が溜まる内リンパ水腫と考え、イドバイドなどの利尿薬を処方します。一方、東洋医学では人体に溜まった水分が排出されずに起きる「水毒」や、血液の流れが悪くなって古い血が体内に存在していることから起きる「悪血」が原因だと考え、個々の症状に合った漢方が処方されます。

漢方薬の効果については広く認められていて、西洋医学にも補助的に漢方薬が処方されることがあり、メニエール病診療ガイドライン2011にも記されています。

漢方薬治療

東洋医学・漢方からみたメニエール病漢方には「気・血・水」という概念があり、メニエール病を含むめまいは、体内の水分が溜まることによる「水毒」によってもたらされると考えます。また、気が逆上する「気逆」や、気が滞る「気鬱」、血が足りない「血虚」で症状が出ることもあるとされています。

また、漢方の診察は「四診」という方法がとられます。患者の状態や日常の生活など、病気とはあまり関係ないようなことを聞かれます。ですが、処方を決めるための手がかりとして重要なことなので、思い当たることは全て相談してください。

漢方治療の有用性とは

めまいの改善では、漢方治療の有用性が高いと言われてます。富山大学の耳鼻咽喉科では、積極的に漢方治療を取り入れてめまいの改善を実施。めまいが起こる病気のほとんどが、ストレスのような心理的な症状が関係しています。そのため薬物治療だけでは限界があるのです。つまり心理療法やリハビリ療法とあわせて、体を根本的に改善する漢方治療が必要になると考えられています。

近年は漢方治療が見直されており、東洋医学の診療が必須講義項目の医学部が増加。今後はさまざまな医療で、漢方治療がどんどん導入されていくでしょう。

めまいの改善に使われている漢方薬で有名なのは、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、真武湯(しんぶとう)といったもの。

メニエール病患者10人に対し、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を3ヶ月以上投与した実験では、9人にめまい改善が見られたそうです。今回参考にした論文は「めまいに対する漢方治療の有用性とその問題点/著:安村佐都紀」になります。

メニエール病の治療に使われる漢方薬

五苓散(ゴレイサン)

五苓散は、頭痛・二日酔い・むくみに効果のある漢方薬です。五苓散を服用すると、余分な水分を体の外に排出してくれるため、「お酒が抜けない」「顔がむくむ」という悩みを解消してくれます。

メニエール病の原因である内耳にリンパ水が溜まってできる「リンパ水腫」の改善にも有効です。

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苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)

めまい・ふらつき・動悸・のぼせといったメニエール病改善に効果のある漢方薬が「苓桂朮甘湯」です。摂取すると、「体にある余分な水分を取り除く効果」「身体の血液を増やす効果」などが得られます。

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半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)

半夏白朮天麻湯は、漢方の医学書「脾胃論(ヒイロン)」にも載っている漢方薬。弱った胃や腸の機能を高める効果や、めまい・頭痛を改善する効果があります。胃腸が弱い・めまいや頭痛で悩んでいる人におすすめです。

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真武湯(シンブトウ)

真武湯は「めまいが起こりやすい」「疲れやすい」「冷えやすい」「下痢しやすい」という人におすすめの漢方薬です。病院では、慢性胃腸炎・過敏症腸症候群・胃腸虚弱といった胃腸の不調を改善するためによく使われています。

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加味逍遥散(カミショウヨウサン)

「疲れやすい」「イライラしやすい」「気分の浮き沈みが激しい」方におすすめの加味逍遥散。加味逍遥散を飲むことで、体の熱を下げつつ、血液を促進させてくれます。さらに自律神経の乱れを整えてくれるのも特徴です。更年期障害や月経異常といった女性特有の症状の治療によく用いられています。

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柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)

「なかなかスッキリと寝付けない」「仕事や人間関係で悩んでいる」という方におすすめの漢方薬が、柴胡加竜骨牡蠣湯です。柴胡加竜骨牡蠣湯を摂取することで、ストレスやイライラによる緊張感を緩和させて、質の高い眠りをサポートしてくれます。

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黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)

血液の循環に作用する漢方薬です。ラットを使った実験にて、海馬への血流量増加が確認されていて、めまいへの効果も期待されています。高血圧や胃炎など、機能の鎮静効果が期待できるのも利点。ただし、過度な使用は禁物です。黄連解毒湯にはサンシシという生薬が配合されています。サンシシを長期間に渡り服用すると、腹痛や下痢などの症状を伴う腸間膜静脈硬化症が起こる可能性も。もし使用してもめまいが改善されたと感じない方は、服用を控えたほうが良いかもしれません。

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桂枝茯苓丸料(ケイシブクリョウガンリョウ)

めまいや月経不順、月経痛など女性の悩みに対して効果的な生薬が含まれています。成人の場合は1包を3回に分けて服用。この量は年齢や症状などにより変わるうえ、体調によっては副作用が出ることも。まれに、肝機能障害や黄疸を発症する例もあるそうです。子宮収縮作用を持つ生薬も配合されているので、妊婦の方は使用厳禁。使用する際は医師や薬剤師に相談し、ほかに服用している薬がないかを必ず伝えたうえで決められた量だけを服用しましょう。

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釣藤散(チョウトウサン)

血流の改善作用を持ち、耳鳴りや高血圧の薬として処方される漢方薬です。血圧を抑えることで、頭痛やめまいに効果があるとされています。ラットによる実験が行なわれており、高血圧の抑制は実証済み。食前もしくは食間での服用が推奨されています。ただし副作用として発疹や便秘などがあるそうです。重大なものだと体重増加や脱力感、麻痺といった症状も。異常を感じた場合は、すぐに服用をやめて医療機関に相談してください。

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当帰芍薬散料(トウキシャクヤクサンリョウ)

冷え性やめまい、生理不順など様々な症状に効果があります。ラットを使った投薬実験では、生理不順を改善する効果が見られたそうです。女性特有の悩みを解決してくれる漢方薬ですが、胃腸が弱い方は要注意。食欲不振や吐き気、嘔吐などの副作用が起こる可能性があります。特に過敏症が出た場合は、服用をやめて医師に相談しなければいけません。医師の指示に従って服用すれば、心強い味方となってくれる漢方薬です。

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桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)

産後のストレスや月経痛など、女性ホルモンが崩れて起こる症状に対して効果があります。血流悪化によるめまいにも効果があり、血流や気を整える薬として親しまれているのが特徴です。ただ、大量に摂取すると高血圧や睡眠障害の起こる低カリウム血症が起こる危険性があるので注意しましょう。特に甘草とグリチルリチン酸が配合された薬との併用は危険です。当てはまる場合、桃核承気湯の使用は避けてください。

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女神散(ニョシンサン)

メニエール病に対して多くの病院で処方されている女神散。血の巡りを良くする効果があり、めまいや更年期障害、月経不順、妊婦の神経症にも使用されます。ただし、妊婦の場合は安全を考慮して、効果があると判断された時のみに服用してください。副作用としては筋力低下を招く「偽アルドステロン症」が発症する可能性があります。桃核承気湯と同じく、甘草が含まれる薬やサプリメントとの併用で病発症のリスクが上がるので服用している薬があれば、配合成分に甘草がないか確認しておきましょう。

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香蘇散(コウソサン)

風邪の際によく処方される香蘇散。胃腸が弱い方や高齢者でも使用できるのが特徴です。めまいの緩和や気持ちを落ち着かせる効果があり、ストレスや気うつに関する症状に対しても処方されます。ただ、カリウムが排泄されやすくなるというデメリットも。カリウムが不足すると、偽アルドステロン症や低カリウム血症を発症する可能性が高まります。摂取する際は決められた量を守るようにしましょう。症状が良くならない際には、服用を続けるかどうか、一度医師や薬剤師に相談する必要があります。

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麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)

風邪薬として使用されている漢方薬で、めまいや微熱などに対して効果が出るのが早いという特徴があります。冷えを改善する生薬を3種類配合。微熱や倦怠感に作用し、世界最速の風邪薬とも呼ばれています。ラットに経口摂取させた実験では、鎮痛作用が確認されたそうです。しかし、様々な副作用も確認されています。高血圧や排尿障害などの症状は、麻黄附子細辛湯の服用により悪化する恐れが。エフェドリン類含有製剤や甲状腺製剤など、一部の薬との併用で副作用が現れやすくなるので要注意です。

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桂枝芍薬知母湯(ケイシシャクヤクチモトウ)

胃やお腹の状態を整えてくれる漢方薬で、関節痛を緩和する効果もあります。腸内環境を整える効果が主なものですが、1ヵ月間使用して効果を感じなければ、服用を避けたほうが良いかもしれません。カイル無我通常より多く排泄されてしまい、カリウム不足で病気発症のリスクが高まるためです。悪化すると痙攣や麻痺といった症状が起こる可能性があります。効果が感じられない際は医師と相談しながら服用を検討するようにしてください。

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柴朴湯(サイボクトウ)

メニエール病で起こる不安やめまいのほか、動悸やうつに対して処方される柴朴湯(さいぼくとう)。モルモットを使った実験では不安に思う気持ちや炎症を抑制する効果が確認されています。副作用には偽アルドステロン症や肝機能障害、肝炎などが報告されており、発熱や咳といった症状を伴うこともあるので要注意。1日の摂取量は必ず守るようにしてください。別の薬と併用する場合は主成分に柴朴湯(さいぼくとう)が含まれていないか確認し、過剰摂取になっていないかも気をつける必要があります。

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